ハリスホークを飼育する前に、まずそろえたい用品をまとめます。
必要なものは大きく分けると、飼育環境を整えるもの・係留に使う専門用品・毎日の世話に使うもの・移動時に使うものです。
ただし、アンクレットやジェス、リーシュ、パーチなどは、鳥の状態や飼育環境に合わせて選ぶ必要があります。初めて迎える場合は、自己判断だけで購入せず、購入先や猛禽専門店に相談して準備を進めてください。
ハリスホークを飼う前に、用品より先に確認したいこと
ハリスホークは、一般的な小鳥用ケージに入れて飼う鳥ではありません。
用品を買い始める前に、以下を確認しましょう。
- 落ち着いて休める飼育スペースを確保できるか
- 日々の掃除や温度管理を続けられるか
- 餌の保管場所を用意できるか
- 通院や移動が必要になったときに対応できるか
- 購入先や猛禽類に詳しい人へ相談できるか
「飼えるかどうか」から確認したい方は、先にハリスホークをペットとして飼うための記事も読んでみてください。
最低限そろえたい飼育用品
係留に使う専門用品

ハリスホークを安全に扱うためには、アンクレット・ジェス・リーシュなどの係留用品が必要になります。
アンクレット(足環)
ジェス(足革)
リーシュ
スイベル
猛禽用グローブ
パーチ(止まり木)
これらは見た目が似ていても、素材・サイズ・作りによって使い勝手や安全性が変わります。特に足まわりの用品は、鳥に合わないものを無理に使わないことが大切です。
初めて用意する場合は、汎用品を自己流で代用するよりも、猛禽類を扱う専門店で相談して選ぶことをおすすめします。
アンクレット・ジェス・リーシュの役割や予備を持つ考え方は、猛禽類のアンクレットやジェス、リードの作り方でも解説しています。
グローブの手馴染みやサイズ選びについては、実際に使ったグローブの使用感と選び方で紹介しています。足まわりの道具については、ジェス・アンクレットの点検と交換もあわせてご覧ください。
パーチ(止まり木)
パーチは、ハリスホークが普段過ごすための足場です。鳥の体格や足の状態、係留用品との組み合わせ、設置場所に合わせて選びます。
我が家では、室内用とベランダ用にボウパーチを分けて使っています。重量があるため掃除の際に動かすのは大変ですが、設置時の安定感を重視して選びました。
足を置く部分には人工芝を使い、結束バンドで固定しています。洗っても落ちない汚れが付いたときは張り替えています。日々の管理では、足裏の状態や、固定部分・係留用品に傷みがないかも確認しています。
購入時は、止まる部分の形状や太さだけでなく、土台の安定性、紐の絡まりやすさ、鳥が飛び出したときの状態まで、実際の個体を見られる専門店や指導者に相談してください。専門店で扱っている製品でも、設置方法や組み合わせの確認は必要です。
実際の設置や掃除の様子は、ハリスホークのパーチ|ボウパーチの使用感と設置・掃除の工夫で紹介しています。
以下は市販のパーチを比較するための商品リンクです。我が家で使用しているボウパーチと同一製品として紹介するものではありません。形状や寸法、用途を確認して検討してください。
野外係留用 猛禽用ホコ(架)の作り方

工事現場などでよく見かけるバリケードを元に制作しています。単管パイプの長さなどは、調整してみてください。クランプカバーは必須で、ヒモが絡んだり、鳥がケガをする可能性があるため取り付けておきましょう。芝に関しても、ピンと張った状態でセットしないと、落ちた鳥がパーチに戻れなくなるため注意してください。基本的には上と下のパイプに芝を巻き付け、結束バンドで止めているだけなので、簡単に作れます。分解すれば車で持ち運びもできるのでおすすめ。
毎日の世話に必要なもの
餌と保管用品
ハリスホークの食事を管理するには、餌そのものだけでなく、保管や準備に使う用品も必要です。
餌を保管する冷凍庫または保管スペース
餌用の保存容器
給餌用トング
まな板や作業用トレー
キッチンスケール
消毒・清掃用品
餌の種類や量、与え方は鳥の年齢・体格・健康状態・運動量で変わります。初めて飼う場合は、購入先や経験者、獣医師などに相談しながら管理してください。
我が家でのウズラの購入・保管方法や、冷凍庫、餌用容器、トングの選び方は、ハリスホークの餌と保管・給餌用品の記事で詳しく紹介しています。実際に使ってきた道具と、購入時の比較候補を分けてまとめています。
体重測定に使うはかりと止まり木
我が家では、デジタルのキッチンスケールに自作の止まり木を台座ごと載せて、体重を測っています。小さいはかりでは台座が安定しにくく、数字が隠れて読みにくくなることもありました。
選ぶ際は、表示の細かさだけでなく、鳥と台座を合わせた重さを測れるか、落ち着いて乗れるか、数字を読み取りやすいかも確認したいところです。
実際の測定方法と記録の残し方、デジタル・アナログそれぞれの比較候補は、ハリスホークの体重管理とスケールの選び方にまとめています。
以下はデジタルはかりの比較候補です。我が家の使用品と同一ではありません。鳥と台座の合計重量、台座の安定性、表示の読みやすさを確認して選んでください。
温湿度計とエアコン操作に使うSwitchBot ハブ2
我が家では「SwitchBot ハブ2」を実際に使用し、温湿度の確認だけでなく、エアコンを含む家電の操作も自動化しています。
ハリスホークの飼育環境を整える際は、温度・湿度を確認することと、必要に応じて空調を調整することをセットで考えたいところです。
SwitchBot ハブ2は、温湿度計機能とスマートリモコン機能を備えています。対応する赤外線リモコン式のエアコンなどを登録すると、アプリから操作したり、設定した条件に応じて自動で動かしたりできます。
温湿度の確認だけなら単体の温湿度計も選択肢ですが、我が家のようにエアコン操作までまとめて管理したい場合は、ハブ2が候補になります。購入前には、使用中のエアコンへの対応と、設置場所の電源・Wi-Fi環境を確認してください。
なお、自動化していても、実際の室温や鳥の様子の確認は必要です。停電や通信不良なども考え、機器だけに任せきりにせず、日々の世話と組み合わせて使いましょう。
購入先によっては検索結果が表示されます。商品名・型番・価格・在庫は販売先で確認してください。
夏・冬のエアコン設定と実際の室温、温度計の置き場所、通信が切れたときの経験は、ハリスホークの温度管理とSwitchBotの活用例で紹介しています。
清掃用品
衛生的な環境を保つために、掃除用品も最初から準備しておきましょう。
ペットシーツや敷材
ブラシ
バケツ
汚れを拭き取るクロス
ゴミ袋
洗浄・消毒用品
毎日使う用品は、無理なく補充できるものを選ぶと続けやすくなります。
我が家では、床に洗える犬猫用マットを敷き、その上にペットシーツを重ねています。フンが飛ぶ壁面はプラダンとペットシーツで保護しています。
ダブルワイドのシーツを使って感じた利点や、破れ・水漏れなどの気になる点、使用中の床マットは、ハリスホークの室内飼育と床・壁の汚れ対策で紹介しています。
我が家で使用している床マットの商品リンクです。購入時はサイズや素材を確認し、敷いた後もずれや破損がないか点検してください。
移動や通院に備えて用意したいもの
急な移動や通院に備え、キャリーや移動時の保護用品も確認しておくと安心です。
移動用の用品は、鳥の大きさや状態によって適したものが異なります。普段使いのキャリーを流用する前に、購入先や専門家へ相談してください。
また、万が一のときに慌てないよう、相談できる動物病院や購入先の連絡先も控えておくことをおすすめします。
我が家で使っている桐箱や、箱に慣らすために行ったこと、車で運ぶ際の工夫は、ハリスホークの移動・キャリーの実例にまとめています。
ハリスホーク飼育用品のチェックリスト
専門店へ相談して選ぶもの
アンクレット
ジェス
リーシュ
スイベル
猛禽用グローブ
パーチ
移動用キャリー
一般的にそろえやすいもの
温湿度計
餌用トング
保存容器
キッチンスケール
清掃用品
ペットシーツや敷材
飼育・猛禽類に関する書籍
訓練・フリーフライト・狩猟の目的に応じて検討する用品
ここからは、取り組む訓練や屋外での活動に応じて検討する用品を紹介します。室内での毎日の世話に、すべてが必要になるわけではありません。
まずは購入先や指導者と目標を共有し、必要な道具と扱い方を確認しましょう。道具をそろえたことだけで、フリーフライトや狩猟の準備が整うものではありません。
笛(呼子)
私が使っているのは、自分の耳でも音を確認できる普通のホイッスルタイプです。犬笛という選択肢もありますが、鳥に合図が届いているか不安に感じたため、自分でも鳴っていることが分かるものを選びました。
また、非常時に人へ居場所を知らせる用途まで考えるなら、水に濡れても音を出せる製品がよさそうだと考えています。購入時には、防水性の表示だけでなく、濡れた状態での発音についてメーカーの説明を確認したいところです。
以下はホイッスルの比較候補です。掲載商品が私の使用品と同一か、濡れた状態での発音に対応しているかは未確認です。
餌合子(えごうし)
伝統的な鷹道具。プラスチック製で、カスタネットのように本体を叩いて音を鳴らし、呼び子代わりに使用します。ケース内に餌が入っており、餌への執着が高い場合や足癖の悪い鳥におすすめ。
ただ、笛で呼んでいるのであれば、ただのエサ入れ代わりにしかならないのでタッパーなどでもいいのかなと思います。
フード

フードはメンテナンス時や移動時に使用します。あったら便利ですがなくても不便はしない。
私はメンテナンス中にかぶせていますが、目隠しはタオルでも代用できるので確実に手に入れて置かなければならないわけではないかなという部分。
ただ、ハヤブサにはフードは必須アイテムとなっています。
実際にフードを使った場面や、装着時の反応については、猛禽類のフードの役割と使用経験にまとめています。
鈴板・鈴


足につける場合と鈴板をつけ尾羽に取り付けるタイプがあります。足の場合はフリーフライト時ひっかかることもあるため注意が必要です。鈴の役割は、音が出るためフリーフライト時の居場所を把握できること。ロスト対策、捜索用として利用できます。左右につける理由は、音の高低差による反響で居場所を把握しやすいというメリットがあります。
鈴も100均などで売ってはいますが、鷹用のしっかりした「鷹鈴」を購入しましょう。100均の鈴を使用したのですが、音の鳴りが悪く、嘴が鈴の隙間に入ってしまい折れたことがあります。
鈴板を使用して尾羽につける際も、音の鳴りをしっかり確認しておきましょう。
鈴板の役割は、尾羽根についている鈴がしっかりなるよう、擦れるようになっており、ちょっとした動きでも音がなる仕組みになっています。
鈴をつけても音がならなかったら無意味ですからね。
鈴板は鈴だけでなく、テレメトリーの装着にも使われます。
テレメトリーシステム
テレメとは猛禽用のGPS装置です。ロストした際に非常に役立つアイテムで、GPSで居場所がわかるというもの。
ちなみに発信機(猛禽に取り付けるタイプ)が4万前後。
受信機が10万~30万円程度します。
スマホみたいに居場所がわかるわけではなく、受信機をもって探しに行くスタイルなので、ロストした場所周辺で利用する形となります。
一般飼育ではあまり利用されていませんが、害鳥防除などのビジネスとして使うならあって損はなし。
忍縄(おきなわ)
ヒモを外さず訓練をする際に使用します。初期の訓練で渡りや振り替えをする際、長い紐が必要になりますが、その紐がこの忍縄(おきなわ)と呼ばれるものです。ルアーにつけたり、活餌につけたりと活用できるので1つ持っていて損はなし。
ルアー(疑似餌)
狩りをする際の訓練としてルアーを使用します。人に育てられた個体は活餌を餌と認識しないため、ルアーで特訓します。頭取りを覚えさせるためにも、首元に餌を取り付けられるタイプのルアーが良いでしょう。
ルアー(疑似餌)というだけあって、狙いたい獲物に合わせて用意しましょう。カモやキジなどでつくられたものが多いです。
他にもハヤブサのルアーリングに使われるものだったり、口餌で戻りの悪い鳥に使われたりと用途は様々。
ウェーダー
カモを獲った際、水辺だと鷹も獲物も回収が困難な場合があります。長くつで事足りればいいのですが、水路や池などで獲ってしまうと水深が深い場合があります。ウェーダーがあるといざというときに便利です。
ホーキングベスト
釣りのベストのようなものですがポケットに予備のジェスを入れたり、獲った獲物を入れたりと、鷹狩り使用になっているベストです。
腰袋を利用していましたが、物は落とすし無くすし…。ベストに必要なものを入れておけば安心です。
他にもたくさんのアイテムがあるのですが、ざっくりと紹介させて頂きました。
飼育前の勉強に役立った猛禽類の本
私は飼育を始める前に、「猛禽類の医・食・住」と「ザ・猛禽類」を読み、基本的な知識を学びました。
迎えた後にも読み返して、「本に書かれていたのは、このことだったのか」と気づく場面がありました。実際の世話を経験してから読むと、飼育前には想像しにくかった内容も理解しやすくなったと感じています。
本で予習しながら、実際の鳥や道具の扱い方は購入先に教わる。この両方が、私にとって役立ちました。
読んだ2冊の紹介と、中古本を選ぶ際に確認したい点は、猛禽類を迎える前の準備と、飼育前から読んでいた書籍にまとめています。
最初からすべてを自己判断でそろえない
ハリスホークの飼育用品は、一般的なペット用品と同じ感覚で選べないものがあります。
特に係留用品やパーチは、鳥の安全に関わるため、購入先や猛禽専門店に「どのような環境で飼うのか」「鳥の大きさはどのくらいか」を伝えたうえで選びましょう。
用品をそろえた後は、ハリスホークの訓練方法も参考にしながら、扱い方や日々の管理を少しずつ学んでいくことが大切です。

