猛禽類にはたくましい姿勢や鋭い眼差し、美しい羽毛など、多くの魅力があります。
そんな彼らの力強さや美しさを持つ猛禽類はとても魅力的な存在ですから、ペットとして飼ってみたいと思う人もいることでしょう。
ですが、猛禽類を迎え入れるためには、適切なケアと許可が欠かせません。
そこで今回は、猛禽類をペットとして買うために必要な手続きや、長く一緒に暮らしていくために注意するべきポイントなどを紹介していきたいと思います。
猛禽類の種類や特徴とは?飼育可能な種類も紹介!
猛禽類は、鋭い嘴と爪を持ち、他の動物を捕食する鳥の仲間です。
生態系の頂点に立つことの多い存在で、昼間に活動するタカ目・ハヤブサ目や夜間に活動するフクロウ目などが含まれます。
各分類に属する具体的な種やその特徴については以下のページで紹介していますのでチェックしてみてください。
なお、ペットとして飼われていることの多い猛禽類には以下の種が挙げられます。
- タカ目タカ科(鷹):ハリスホーク(モモアカノスリ)・オオタカ
- タカ目タカ科(鷲):イヌワシ・アラスカハクトウワシ
- ハヤブサ目ハヤブサ科:ハヤブサ・チゴハヤブサ
- フクロウ目:シロフクロウ・メンフクロウ・アフリカオオコノハズク
猛禽類をペットとして飼うには飼育許可の取得は必須!
ペットショップでも見かけることのあるフクロウはまだしも、鷹や鷲などの大型の猛禽類となると、飼育には地域や国の法律に基づく許可が必要となります。
飼育のための手続きですが、一般的には次のような手順で取得することが可能です。
-
- 地元の環境保護部局などの関連機関に問い合わせ、猛禽類の飼育許可に関する情報を入手する
- 関連機関から提供される申請書や必要な書類(飼育環境の詳細な説明や飼育者の経験など)を提出する
- 必要な鳥かごや巣箱、飛び跳ね防止のネットなど、安全で快適な環境を整える
- 関連機関の施設の検査や飼育者のスキルの審査などが行われる
- 必要な手続きや審査を経て、許可が下りると猛禽類の飼育が許可される
以上が一般的な手続きの例ですが、具体的な法律や規制、飼育したい猛禽類の種類によっても手続きが異なる場合がありますので、確認することが重要です。
詳しくは関連機関や専門の鳥類保護団体、飼おうとしている猛禽類の入手元(ペットショップなど)にて問い合わせると良いでしょう。
猛禽類を飼うにあたっての適切な環境の整備
猛禽類は基本的に自然環境に適応した生物であるため、自宅で飼う場合は、十分なスペースや温度・湿度の管理を始めとした快適な環境を整える必要があります。
準備しておくものとしては以下のものが代表的です。
ケージ
猛禽類は室内で放し飼いすることも可能ですが、彼らはその一部屋を自分のテリトリーと考えてしまうため、あまりオススメできません。
ケージの適切な大きさは個体の大きさによって異なりますが、一般的には体長の3〜4倍程度のものが必要だとされています。
アンクレット/ジェス
猛禽類を飼う上で最も注意が必要なのは、「ロスト(逃走)」と呼ばれる事態です。
脱走を防ぐためには、アンクレットやジェスと呼ばれる装置を鳥の脚に取り付ける必要があります。
ジェスはロープやレザー製のストラップのことを指し、足首に巻かれます。アンクレットはジェスを取り付けるための装置です。
なお、万が一ロストしてしまった場合に備えてGPSを装着させておくことも有効です。
温度・湿度計/保温用具
猛禽類を飼う部屋の温度や湿度の管理は、迎える子の体調管理のためにも必要不可欠です。
温度や湿度については迎える子の原産国に合わせてあげると良いでしょう。
また、冬場は暖房やヒーター、ケージ内に設置する小動物用のヒーターなどを用意してあげるようにしましょう。
餌について
猛禽類の餌は、鶏肉やウサギ肉、魚などの肉類など、一般的に生肉を与えます。ただし、鳥類や哺乳類の生肉を適切に取り扱い、衛生的に保管することが重要です。
中には冷凍肉を使用する場合もあり、これにより、餌を長期間保存できるというメリットもあります。ただし、冷凍肉を使用する場合は必ず解凍してから与えるようにしましょう。
なお、猛禽類の栄養バランスを考えるために、餌には必要な栄養素を含むサプリメントを添加することもあります。
専門店や獣医師からアドバイスを受け、適切な栄養補助食品を選ぶようにしましょう。
餌の入手方法としては、餌の品質と衛生管理に長けている専門のペットショップや鳥獣医院で購入することが一般的です。
まとめ
猛禽類と触れ合うことで、私たちは鳥たちの知恵や美しさを垣間見ることができます。
私たちの心を打つ彼らの力強さと美しさは、自然界の神秘を体現していると言えるでしょう。
ですが実際にペットとして迎えようとすると、所定の手続きを踏んだり、飼おうとしている猛禽類が快適に過ごせるような環境を整備することは容易なことではありません。
自身が飼う予定の個体の特徴や性格などについて十分に調べ、理解を深めてから迎えるようにしてくださいね。