鷹によるカラス対策について、私が果樹園で参加した経験では、実施しなかったときよりも効果を感じました。ただし、一度飛ばせば終わりではなく、繰り返しが必要で、その大変さも印象に残っています。
最初はカラスが群れて寄ってきて、しばらくするといなくなる。その変化は見ていましたが、農作物の被害がどれだけ減ったか、数字では把握していません。
この記事では、ハリスホークを飛ばしてカラス対策に参加したときの体験と、資料で説明されている追い払いの限界を紹介します。効果を測定した実証試験や、業者として施工結果を報告する記事ではありません。
果樹園で「カラスが寄ってこないように」と依頼された
私が参加したのは、果樹園でのカラス対策です。呼ばれて現地へ行き、「カラスが寄ってこないように」と言われて、ハリスホークを飛ばしていました。
果樹園で何を育てていたかは把握していません。また、カラス以外の鳥への対策も目的に含まれていたのか、具体的にどんな被害が出ていたのかまでは確認していませんでした。
そのため、ここで紹介できるのは、現場で飛ばしていたときに見たカラスの反応や、作業に参加して感じたことです。作物の種類や被害内容を、後から推測で補うことはしていません。
最初はカラスが群れて寄ってきた
印象に残っているのは、鷹を飛ばすと、最初はカラスが群れて寄ってきたことです。鷹が現れた瞬間に、カラスがすべて逃げていくという様子ではありませんでした。
その後、しばらくするとカラスはいなくなりました。現場で見た変化としては、この「初めは寄ってくる」「しばらくするといなくなる」という流れを覚えています。
ただ、いなくなるまでの時間や羽数を記録していたわけではありません。何分で何羽を追い払えた、という数字での説明はできません。
カラスが近づく場面では、追い払う側の鷹にも注意が必要です。私は別のフライトや散歩の場面でも、多数のカラスに対応する大変さを経験しています。そうした体験は、猛禽類にも天敵はいる?カラスとの関係とフライト中の警戒で紹介しています。
複数羽で飛ばしていたが、協力して追い払ったとは言い切れない
果樹園では、ハリスホークを複数羽で飛ばしていました。ただ、毎回同じ個体同士というわけではなく、私が見た範囲では、役割を分担した協力プレイは確認できませんでした。
自分のハリスホークは、ほかの個体をあまり気にしていませんでした。一方で、一緒に飛ばせない個体や、危険だと判断した組み合わせもありました。
その経験から、複数羽なら簡単に連携できる、羽数を増やせばその分だけ効果が上がる、とまでは言えません。今回の現場でも、単独で飛ばした場合と複数羽の場合の効果を比較したわけではありません。
ハリスホークの社会性と、飼育個体を一緒に飛ばした経験については、猛禽類は群れる?ハリスホークの社会性と他の鳥との距離で詳しく紹介しています。
効果は感じたが、繰り返す必要があった
実施しなかったときより、実施したほうが効果はあったと思っています。ただ、その実感と、農作物の被害が減ったことを数値で証明できるかどうかは別です。
私が大変に感じたのは、繰り返して行う必要があったことでした。一度飛ばしたら、その後は何もしなくてもカラスが来なくなる、というものではありませんでした。
農林水産省の『野生鳥獣被害防止マニュアル【鳥類編】』でも、タカの飛行を見て鳥が一時的に退避しても、時間がたてば戻り、タカを見た場所を無条件に避け続けるわけではないと説明されています。
この説明は、私が現場で感じた「繰り返しが必要だった」という実感とも重なります。ただし、この資料が私の参加した果樹園の効果を検証したものではありません。
出典:農林水産省『野生鳥獣被害防止マニュアル【鳥類編】』「タカやドローンの飛行」(冊子47ページ)
カラスが離れたことと、農作物の被害が減ったことは分けて考える
今回の経験について、分かっていることと分からないことを整理すると、次のようになります。
| 項目 | 今回の経験で言えること |
|---|---|
| 依頼された目的 | カラスが寄ってこないようにすること |
| 現場で見た反応 | 最初は群れて寄ってきて、しばらくするといなくなった |
| 効果についての実感 | やらなかったときより、やったほうが効果を感じた |
| 作業上の負担 | 繰り返す必要があり、大変に感じた |
| 作物の種類・具体的な被害 | 把握していない |
| 被害額や収穫量の変化 | 数値を把握しておらず、記録の有無も不明 |
現場で鳥が離れる様子を見ることはできます。しかし、それだけでは、収穫量が増えたのか、費用や手間に見合ったのかまでは判断できません。
もし対策の導入を検討するなら、カラスの来訪状況に加えて、作物の被害、実施した日時や作業時間、ほかに行っている対策も記録すると、結果を振り返りやすくなります。これは今後の確認項目であり、私が当時その記録を取っていたという意味ではありません。
鷹を飛ばす方法だけで解決すると考えない
農水省の同マニュアルでは、鳥と作物を物理的に遮断する防鳥網も、果樹栽培などの基本的な対策として紹介されています。ただし、設置や撤収の手間、費用、作業への影響もあります。
そのため、対策を考えるときは「鷹を飛ばせばよい」と決める前に、何の鳥が、どこから来て、何に被害を与えているのかを確認することが大切です。追い払いを続けられる体制や、物理的に侵入を防ぐ方法も含め、現場に合う方法を検討する必要があります。
私が参加した果樹園で、ほかにどの対策を併用していたかは把握していません。鷹だけで被害を抑えた事例として受け取らないでください。
また、鷹の飼育やフライトには、鳥自身や周囲への安全管理が伴います。カラス対策のために未経験から鷹を購入して飛ばすのではなく、被害状況を整理したうえで、鳥害対策の担当窓口や経験のある専門業者へ相談するのが現実的です。
果樹園で感じたのは、効果と継続する大変さの両方
私の経験では、ハリスホークを飛ばすと、最初はカラスが群れて近づき、しばらくするといなくなりました。実施したほうが効果はあったと感じています。
同時に、繰り返さなければならない大変さもありました。「鷹を一度見せれば解決する」と説明できる経験ではありません。
現場で感じた手応えはありますが、被害額や収穫量の変化は不明です。その両方を含めて、鷹によるカラス対策に参加した一人の体験として、参考にしていただければと思います。

