「ハリスホークは人になつくの?」「犬や猫のように触れ合える?」
飼育を考えている方なら、気になるところではないでしょうか。
我が家のハリスホークは、自分から寄り添ってきたり、膝に乗ってきたりすることがあります。私がそばにいても、触っても、普段は怒りません。
ただ、17年一緒に暮らしている私の感覚では、「なついている」より「私や一緒に暮らす環境に慣れている」と表現する方がしっくりきます。
この記事では、生後3か月で迎えたインプリントのオスとの暮らしを中心に、ハリスホークの性格と接し方を紹介します。同じ種類でも反応は大きく違うため、一羽の実例として読んでいただければと思います。
ハリスホークはなつく?我が家では自分から寄り添うことも
我が家の個体は、迎えたころから甘えん坊だと感じる鳥でした。
そばに寄ってきたり、膝の上に乗ってきたりすることがあります。飼い始めたころには、枕元や布団の上で過ごしていたこともありました。
現在は仕事部屋で一緒に過ごし、私は別の寝室で休んでいます。
こうした姿を見ると、飼い主としてはかわいいと感じます。ただし、「近くにいるから、犬や猫と同じ気持ちで甘えている」とまで断定できるわけではありません。
私にとっては、そばにいても警戒せず、普段どおりに過ごしてくれることが、長く築いてきた関係を感じる場面です。
なお、過去に同じ寝具で過ごした経験は、飼育方法としてすすめるものではありません。睡眠中は鳥の動きに対応できないため、休む場所は人と分けて用意してください。
触れる場所と嫌がる場所がある
「触れるかどうか」は、場所によって違います。我が家の個体の場合は、次のような反応です。
| 触れる場所 | 我が家の個体の反応 |
|---|---|
| 頭 | 嫌がる |
| 胸 | 日々の肉付きの確認で触れてきたため、問題なく触れる |
| 翼や羽の部分 | 普段は触れても嫌がらない |
| 足 | 触れることができる |
胸は肉付きを確認するために繰り返し触れてきた場所です。一方、頭はフードの取り付けなどで触っているので嫌がる場面が多いです。くちばしも触れますし、メンテナンスもしています。
また、嫌がらずに触らせることと、撫でられるのを喜んでいることは同じとは限りません。触れるかどうかだけでなく、そのときの反応を見ています。
基本的にわしゃわしゃ触ろうとも怒られることはないです。
自分の鳥にできることを、ほかの鳥にも行わない
私は自分の個体には触れますが、同じようにほかの人のハリスホークへ手を出すことはできません。
足でつかまれたり、嘴で突かれたりする可能性があり、動きも速いからです。
「この飼い主さんは触れているから、自分も大丈夫」とは考えないでください。触れ合う機会があっても、必ず飼い主や担当者の指示に従うことが大切です。
飼い主さんが大丈夫といえど、握力も強く対処できない可能性があるならば、自衛のためにも触ることを控えたほうが良いです。実際そういう現場を多々目撃しています。
飼い主以外の人や、環境の変化への反応
我が家の個体は、私以外の人に対しても、態度が大きく変わる方ではありません。ただし、子どもは少し苦手なところがあります。
以前、子どもに体を持ち上げるようにつかまれたことがあり、その経験が関係しているのかもしれないと感じています。原因を確かめられたわけではありませんが、そのような出来事はありました。
子どもが接する場合も、大人が見守り、急に触れたり持ち上げたりしないようにする必要があります。
預けた際には食欲が落ちた
自宅での世話をほかの人に任せた経験はありませんが、預けたことはあります。その際には食欲が落ちていました。
私は環境が変わった影響もあるのではないかと感じました。ただし、そのときの食欲低下の原因を特定できたわけではありません。
普段、人に慣れている個体でも、場所が変われば同じように過ごせるとは限りません。預け先には、普段の餌、生活環境、苦手なことなどを伝えておくことが大切だと感じています。
普段は穏やかでも、嫌がる場面はある
私がこれまで噛まれたり、足を出されたりしたのは、メンテナンス中に暴れたときです。
普段の生活では穏やかでも、メンテナンスまで平気というわけではありません。掃除機や、ほかの動物に対して怒るような反応を見せることもあります。
「自分に慣れているから、何をしても大丈夫」とは考えないようにしています。
メンテナンスは日常の触れ合いとは別
我が家ではメンテナンス時に保定し、フードを被せて視界を遮った状態で行っています。ここでいうフードは、猛禽類の頭に装着する道具です。
ただし、フードを被せれば安全になるわけではありません。保定や道具の扱いには技術が必要なので、この記事を手順として自己流で行わず、専門店や猛禽類を診られる獣医師に相談してください。
日常的に胸や足へ触れられることと、必要な処置を安全に行えることは、分けて考えています。
関係は、暮らし方を変えながら築いてきた
迎えたころは、当時飼育していたインコと同じくらいかわいがっていました。
今振り返ると、構いすぎたことが甘え鳴きや無駄鳴きにつながった部分もあるのかもしれません。その後はトラブルを防ぐために部屋を分け、過ごし方を見直しながら、少しずつ関係が変わっていきました。
フリーフライトや、ほかのハリスホークと過ごした経験も、変化に関係していたのかもしれないと思っています。
ただし、どの経験がどれだけ影響したかは分かりません。「一緒に飼えば落ち着く」「飛ばせば性格が変わる」という方法としてすすめるものではありません。
一緒に過ごす時間と、訓練の積み重ね
飼い始めたころは、仕事が終わってから毎晩2〜3時間、散歩を兼ねて据え回しをしていました。
現在は当時より頻度が下がっていますが、日常の給餌ではジャンプアップを取り入れ、時期に合わせて飛翔訓練も行っています。
私にとって、今の関係は迎えた瞬間に完成していたものではありません。世話をし、反応を見て、接し方を調整してきた時間があります。
訓練については、ハリスホークの訓練方法の記事でも紹介しています。
ハリスホークの性格には大きな個体差がある
ほかのハリスホークを世話した経験では、気性が荒いと感じる個体もいれば、我が家の個体以上にいろいろな場面で動じない個体もいました。
本当に犬や猫のように人と接し、「猛禽類とは思えない」と感じる個体もいます。一方、私には扱いが難しいと感じる個体もいました。
そのため、「ハリスホークならこのくらい触れる」「インプリントなら必ず甘える」とは言えません。
社会性があることと、人への接し方は別
ハリスホークは、野生で仲間と協力して狩りや繁殖を行うことが知られています。コーネル大学鳥類学研究所の生態解説でも、その社会性が紹介されています。
ただし、鳥同士の社会性があることから、「誰にでもなつく」「人との触れ合いが好き」とは判断できません。
購入を考える際には、種類の説明だけでなく、その個体の性格、育った環境、人への反応を販売者に確認してほしいと思います。
犬や猫のようになつくことを期待してもよい?
犬や猫のように親しく接してくれる個体がいることは、私も経験しています。ただ、それが普通だと思って迎えない方がよい、というのが率直な気持ちです。
犬にも日々の接し方やトレーニングが必要なように、猛禽類にも訓練や関係づくりが必要です。しかも、猛禽類ならではの道具や扱い方を学ぶ必要があります。
「自分好みの性格になるまで触る」のではなく、その個体が嫌がることを知り、無理をさせない距離を探すことも飼育の一部だと思います。
購入前には、次の点を具体的に相談しておくとよいでしょう。
- 普段、人が近づくとどのように反応するか
- 触られることやメンテナンスにどの程度慣れているか
- 苦手なものや、これまで困った行動があるか
- 迎えた後に、扱い方や訓練を相談できるか
販売店で落ち着いていても、自宅へ移った直後に同じ反応をするとは限りません。新しい環境での様子を見ながら、購入先と相談して進めてください。
購入先選びについては、ハリスホークの購入費用と販売店選びも参考にしてください。
「どこまで触れるか」だけで関係を測らない
17年一緒に暮らした我が家のハリスホークは、そばに寄り添うこともあれば、嫌なことには嫌な反応を見せます。胸には触れますが、頭を触られるのは苦手です。
私がうれしいのは、何でもさせてくれることより、同じ部屋で普段どおりに過ごしてくれることです。
人との距離が近い個体も、慎重に接する必要がある個体もいます。「犬猫のようになつくはず」という期待だけで迎えるのではなく、その鳥の性格と、関係づくりに必要な時間ごと受け入れられるかを考えてみてください。
暮らしを始めるための準備は、ハリスホークをペットとして飼うための解説にまとめています。

