ハリスホークを逃した裁判について

猛禽類は頭がいい?ハリスホークの学習・記憶を感じた飼育体験

ハリスホークの豆知識
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猛禽類には、経験を通して行動を学ぶ能力があります。ハリスホークの研究でも、餌を報酬にして特定の刺激を選ぶことを学ばせ、その反応を調べています。ただし、それだけで「人間の何歳と同じ知能」「ほかの鳥より賢い」といった順位は付けられません。

私がハリスホークと暮らしていて、覚えているのだと感じる場面は身近にあります。箱を開けると入ること、餌の準備中にキッチンの物音へ反応すること、相手によって態度が違うことなどです。

この記事では、学習に関する研究の例と、私の飼育中の経験を紹介します。実際に見た行動と、その理由について私が考えていることは分けてお伝えします。

猛禽類の「頭のよさ」は、具体的な行動から考える

研究でも、ハリスホークの学習が利用されている

猛禽類の見え方を調べた研究「How fast can raptors see?」では、ハリスホークなどに、点滅する光と点灯しているように見える光を区別する課題を学ばせています。正しい側の止まり木を選ぶと餌を与える方法です。

このように、刺激を見分け、報酬と結び付いた行動を学習することが、実験に利用されています。

ただし、この研究の目的は視覚の時間的な細かさを調べることです。知能全体や、人の顔を覚える能力、何年間記憶できるかを測定した研究ではありません。

出典:Potierほか(2020)How fast can raptors see?

学習することと、人間と同じように理解することは別

箱を開けたら入る、準備の物音に反応する。こうした行動を見ると「次に何が起きるか分かっているのかな」と感じます。

一方で、実際に何を手掛かりにしているのか、どのように理解しているのかを、普段の観察だけですべて説明することはできません。私は「賢い」という一言より、何をしたときに、どんな反応をしたかを具体的に伝えたいと思っています。

箱を開けると、自分から入るようになった

私のハリスホークでは、箱仕込みなどのトレーニングを通して覚えた行動があります。箱仕込みとは、ここでは移動などに使う箱に入ることを覚えてもらう訓練のことです。

現在は、箱を開けると入るようになっています。こちらの準備に合わせて行動する姿は、飼育の中で学習を感じる分かりやすい例です。

また、外出の準備をしていると「これから出かけるんだな」と先回りしているように感じることもあります。ただ、服装や道具のどれが決め手なのかまでは、切り分けて確認していません。

訓練で覚えたことが日常の行動につながっているとは感じますが、覚えるまでの日数や、練習しない期間をどれだけ空けても覚えているかは、今回の経験からは示せません。

キッチンの物音で、餌がもらえると分かっていそう

餌の準備をしているとき、キッチンで物音がすると、餌鳴きをしたり、こちらへ飛んでこようとしたりします。

私には「餌を準備しているなら早くちょうだい」と言っているように見えます。実際に観察しているのは、準備中の音に反応して鳴き、近づこうとする行動です。

その様子から、私はキッチンの物音と餌をもらう場面が結び付いているのではないかと考えています。ただし、音だけで反応しているのか、私の動きなども見ているのかまでは分かりません。

鳴き声については、ハリスホークの鳴き声と飼育中の実例でも紹介しています。

人によって違う反応を見せることがある

母には鳴いたり、身構えたりする

私のハリスホークは、母に対して鳴いたり、身構えたりすることがあります。初対面の人や知人には、特に同じような反応の違いを感じていません。

私には母を苦手にしているように見えます。その理由として思い当たるのが、実家で暮らしていた頃の掃除です。今でも掃除機が苦手なので、母と、本人にとって嫌だった場面が結び付いているのではないかと考えています。

ただし、掃除が原因だと確認できたわけではありません。母の姿そのもの、動き、音、距離など、どの手掛かりに反応しているかは分かりません。

人を見分けているように見えても、顔だけとは限らない

相手によって反応が違うと、「人を覚えている」と感じます。しかし、私の観察では、その人の顔だけを見せたり、声や動きをそろえたりして比較したわけではありません。

そのため、この記事でお伝えできるのは「相手によって反応が違う場面がある」ということです。人の顔をどの程度見分けているかまでは、断定していません。

子どもに持ち上げられた経験と、その後の警戒

以前、公園で過ごしていたとき、子どもに体をしっかりつかまれ、持ち上げられたことがありました。私は、その経験が子どもへの警戒につながったのではないかと感じています。

当時は子どもが多い公園だったこともあり、その環境の中で警戒が高まった面もあるのではないかと考えています。

ただ、一度の出来事の影響なのか、その前後の経験も関係するのかは分かりません。また、そのときの子どもと、それ以外の子どもをどう区別しているかも確認できていません。

この経験から私が伝えたいのは、反応を確かめるために近づけたり、無理に触らせたりしないことです。子どもに限らず、飼い主の管理なく鳥をつかんだり持ち上げたりする状況は避けたいと思っています。

観察したことと、私が考えている理由を分ける

実際に見られた行動 私の受け止め方・分からない点
箱を開けると入る 訓練で覚えた行動。記憶が続く期間は測定していない
餌の準備中、キッチンの音に餌鳴きなどで反応する 給餌を予測しているように感じるが、音だけが手掛かりかは不明
母に鳴いたり、身構えたりする 掃除の経験との関連を考えているが、原因は未確認
子どもを警戒する様子がある 持ち上げられた経験が関係すると感じるが、影響は切り分けられていない

これは一羽を飼育する中での経験です。ほかのハリスホークや、猛禽類全体が同じように反応するという意味ではありません。

同じ個体でも状況によって行動が変わる例は、マントリング(羽襖)と屋内・屋外での違いでも紹介しています。

猛禽類の知能について、よくある疑問

猛禽類の知能は、人間の何歳くらい?

今回確認した研究や私の飼育経験から、人間の年齢に換算することはできません。特定の課題を学べることと、知能全体が人間のある年齢と同じであることは別です。

覚えたことは、何年も忘れない?

私の個体では、訓練で覚えた行動や、過去の経験が関係していそうな反応があります。ただ、練習をしない期間や条件をそろえて調べていないので、記憶できる年数は分かりません。

飼い主に慣れていれば、誰にでも同じように接する?

私のハリスホークでは、相手によって反応が違います。私の前で落ち着いているからといって、ほかの人が近づいたり触れたりしても同じだとは考えていません。

一緒に暮らすと、学習を感じる場面がある

箱を開けると入る。キッチンの物音に反応する。特定の相手には身構える。私にとって、ハリスホークの学習や記憶を感じるのは、こうした日常の行動です。

その理由をすべて説明できるわけではありませんが、何に反応しているのかを見ていると、付き合い方を考える手掛かりになります。自分の解釈だけで決めつけず、実際の行動を見ていきたいと思っています。

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