ハリスホークを逃した裁判について

猛禽類の種類一覧【五十音順】

アカトビ ハリスホークの豆知識

猛禽類と言っても日本だけではなく世界各地にも生息しています。

世界各地に生息している猛禽類の種類を紹介していきたいと思います。

アカトビ

アカトビ

科目

タカ目タカ科

和名

アカトビ(赤鳶)

学名

Milvus milvus

英名

Red kite

体長

オス:58cm/メス:65cm

分布

ヨーロッパの広範囲・アフリカ大陸北部の一部地域・中近東

生息地

木がまだらに生えた林等視界の開けた場所

主にヨーロッパと、アフリカ北部の一部地域、中近東などに生息しているアカトビは、タカ科の猛禽類です。

日本に生息しているトビと体長はほとんど同じであるものの、アカトビという名の通り、羽色が赤いという違いがあります。

また、オスよりもメスの方がやや体長が大きいのも特徴です。

他にも、成鳥については頭部が白いのですが、幼鳥の頃は目よりも上〜後頭部については背部と同じような褐色になっているなどの特色を持ちます。

主な獲物はウサギやネズミなどの小型の哺乳類です。

タカ科の猛禽類らしく先端が鋭く尖った鉤状のクチバシと、ガッシリとした足、強力な爪を有し、優雅な羽ばたきながら獲物を探します。

そして、狙いをつけると一気に急降下し、餌となる獲物を捕らえるのです。

なお、巣は皿型をしており、木の上などの高い場所に作ります。主な材料は小枝や土、動物の毛などです。

アナホリフクロウ

アナホリフクロウ

科目

フクロウ目フクロウ科

和名

アナホリフクロウ

学名

Athene cunicularia

英名

Burrowing Owl

体長

24cm

分布

北アメリカ大陸の西部や南アメリカ大陸の広範囲(周辺の島の一部にも)

生息地

草原など

その名の通り、樹上ではなく開けた平地に繁殖や避難場所用の穴を掘って生活するアナホリフクロウは、走る・歩くなどの行動に適した長い足を持っています。

コキンメフクロウと似た見た目をしていますが、長い脚が特徴的。

特に日中は生活拠点である穴のすぐ側で周囲を警戒し、身の危険を感じるとすぐに穴の中に逃げ込みます。

そのため、仮は基本的に夜に行います。主に蝗などの昆虫を主食としていますが、トカゲや蛇といった爬虫類、ネズミをはじめとした小型の哺乳類や、小さい鳥などを捕食することもあります。

巣である穴についてはつがいと共に自ら掘って作るケース以外にも、プレーリードッグやコヨーテなどが掘ったものを利用する場合もあります。

巣を繁殖に利用する場合、植物の茎や糞などをクッションとして敷きます。

フンは天敵よけにもなり、床材として使用することで微生物の分解が始まりホッカイロの代わりとして巣を温めてくます。

しかも、甲虫の卵が産み付けられていることもあり、孵化すれば自動的にご飯が手に入るというエコっぷり!

 

アフリカオオコノハズク

アフリカオオコノハズク

科目

フクロウ目フクロウ科

和名

アフリカオオコノハズク

学名

Ptilopsis leucotis

英名

Northern White-faced Owl

体長

28cm

分布

アフリカ大陸のサハラ砂漠以南の地域

生息地

草原や開けた林、低木地など

鮮やかなオレンジ色の目と老人の口髭のようにクチバシ部分の羽毛が伸びているという顔が印象的なアフリカオオコノハズクは、アフリカ大陸に生息するフクロウです。

また、警戒すると体を細くして木に擬態し、敵に見つからないようにするという習性をもっているのですが、羽の部分が斑模様となっているため、このカモフラージュが行いやすくなっています。

ただ、上記のような習性を持つ一方、攻撃的になると目を大きく見開き、噛みついて攻撃することもあります。

また、相手を威嚇する際は羽を広げ、体を大きく見せることもあります。

ですが、基本的にはこうした威嚇行動を取ることはあまりなく、最後の切り札であり捨て身の手段だとされています。

主な獲物については、昆虫やネズミを始めとした小型の齧歯類、小さい鳥などです。

巣については自分で作らず、カラス類やハイタカ類、エボシボリ類などの鳥の古巣や、自然と出来上がった樹洞などを流用します。

アメリカチョウゲンボウ

アメリカチョウゲンボウ

科目

ハヤブサ目ハヤブサ科

和名

アメリカチョウゲンボウ(亜米利加長元坊)

学名

Falco sparverius

英名

American Kestrel

体長

オス:29cm/メス:32cm

分布

南北アメリカ大陸の広範囲・西インド諸島

生息地

草地や低木地・農耕地・市街地など

南北アメリカ大陸の広範囲、及び西インド諸島に生息しているアメリカチョウゲンボウはハヤブサ科の鳥。

飼育できるハヤブサの中で小柄な鳥です。通称アメチョウ。

ユーラシア大陸やアフリカ大陸に生息するチョウゲンボウよりやや小型です。

ハヤブサの一種ではあるものの狩りの手法はあまりダイナミックなものではなく、空中で政治行動を行ないながら獲物に狙いをつけ(ホバリング)、足で一気に攻撃を仕掛けます。

主な獲物は小鳥やネズミといったあまり動きが速くない小型の動物です。

体の特徴としてはまず翼の幅が狭く、頬の部分に黄橙色の美しい斑模様を持っています。また、オスよりもメスの方がやや体が大きいという傾向もあります。

枝に止まる際は尾羽を上下に振るという習性があり、巣については木などに自然に開いた穴や窪み、別の鳥が使用していた古巣などを利用します。

アメリカフクロウ

フクロウ

科目

フクロウ目フクロウ科

和名

アメリカフクロウ(亜米利加梟)

学名

Strix varia

英名

Barred Owl

体長

53cm

分布

北アメリカ大陸のロッキー山脈東側〜東海岸に至るまでとメキシコ中央部の高原〜アハカ・ベラクルスにかけて

生息地

木々の鬱蒼とした森林地帯・比較的開けた森・草原など

夜行性のアメリカフクロウは、光が少ない中でも活動できる高性能な目と、左右で位置が非対称だからこそ、微かな音から獲物の正確な位置を突き止められる耳を持っています。

だからこそ、日中は枝や葉が茂っている場所などでゆったりと休息し、夜になると優れたハンターとして森の中や草原、水辺などさまざまな場所で狩りを行ないます。

主な獲物はハツカネズミやハタネズミといったネズミや、リス・野ウサギなどの小型の哺乳類です。他にもトカゲやカエルといった小型の爬虫類や両生類を捕食することもあり、水辺ではナマズなども捕らえて食べます。

巣については基本的に樹洞などを利用し、枝や草などを敷いたりせずに直に産卵します。

また、自身の存在を誇示したい時には「ホッホッホッホ」と4・5回に分けて鳴くという習性を持ちます。

アメリカワシミミズク

アメリカワシミミズク

科目

フクロウ目フクロウ科

和名

アメリカワシミミズク(亜米利加鷲木莵)

学名

Bubo virginianus

英名

Great Horned Owl

体長

55cm

分布

南北アメリカ大陸のカナダ北部・ブラジルの一部を除いたほぼ全域

生息地

木が鬱蒼と茂っている森林地帯やその周辺、草地や岩場、砂漠など

猛禽類としても大型の種であるアメリカワシミミズクは、南北アメリカ大陸に生息するフクロウ科の鳥としても最も体が大きい種です。通称アメワシ。

大きな耳や、胸の部分にある白っぽい地に黒っぽい縞模様が入っているのが特徴で、羽の色味については淡かったり暗色であったりと、かなり個体差があります。

鳴く時は「ホーホー」もフクロウらしく鳴きます。

主な獲物は野ウサギを始めとした小型の哺乳類や小さな鳥類で、時折昆虫なども捕食します。狩りは夜に音を立てずに、力強い足で獲物を捕らえる形で行われます。

巣については同じ猛禽類の鷹やカラスなどの古巣を利用することが多く、あまり自分では作りません。

アフリカワシミミズクと似ていますが、アメリカワシミミズクの方が黒っぽいです。

イヌワシ

イヌワシ

科目

タカ目タカ科

和名

イヌワシ(犬鷲、狗鷲)

学名

Aquila chrysaetos

英名

Golden eagle

体長

オス:75cm/メス:90cm

分布

北アメリカ大陸・ユーラシア大陸・中東・アフリカ北部など広範囲。日本でも九州より北の地域に生息。

生息地

山岳地や岩場、草原等

タカ科の猛禽類の中でもかなり大型な部類に入るイヌワシ。

英名である「ゴールデン・イーグル」は、後頭部が金色がかった黄褐色となっていることが由来となっており、クチバシは鉤状に曲がっています。

狩りの時は高速で低空飛行し、狙いを定めると斜めに急降下しながら一気に獲物に近づき、強力な足の爪を使ってしっかりと捉えます。

獲物は野兎を始めとした小型の哺乳類が主ですが、鳥類や蛇などを捕食することもあります。また、冬には死肉を食べることも。

なお、クマタカのように、滑空時は羽ばたかないのが特徴です。

また、普段はほとんど鳴かないのですが、稀に吠えるような声で鳴くこともあります。

巣は木の上や崖といった高い場所に、大小の枝を用いて作ります。

メスが卵を産んでから巣立ちまでにはおよそ4ヶ月要します。

エジプトハゲワシ

エジプトハゲワシ

科目

タカ目タカ科

和名

エジプトハゲワシ(埃及禿鷲)

学名

Neophron percnopterus

英名

Egyptian vulture

体長

オス:63cm/メス:70cm

分布

ヨーロッパ南部・中東・インド・アフリカ大陸

生息地

草原、半砂漠、岩場、低木地、農耕地や市街地まで様々な場所に生息

顔の黄色い皮膚が露出し、頭部から首にかけて羽毛がボサボサとしていて毛深いことが大きな特徴と言えるエジプトハゲワシ。

鳥類の中では比較的大きいものの、ハゲワシの仲間の中では小型な種類です。

大型のハゲワシには餌の奪い合いではかなわないものの、上昇気流に頼らなくても飛び立てる飛行の上手さから、大型の種よりも先に動物の死体やコロニーの中のヒナや卵などを発見し、先に奪うといった術に長けています。

また、ダチョウを始めとした殻が厚く簡単に割れない卵に対して、石を落として割るなどの知恵も持っています。

体長についてはメスの方がオスよりも大きいという特徴を持っています。

オウギワシ

オウギワシ

科目

タカ目タカ科

和名

オウギワシ(扇鷲)

学名

Harpia harpyja

英名

American Harpy Eagle

体長

オス:90cm/メス:102cm

分布

メキシコなどの中央アメリカ・南アメリカ大陸の北部〜アルゼンチン北部にかけて

生息地

木々が鬱蒼と茂った森林地帯に生息

非常に力強い足と鉤爪を持つ大型の猛禽類であるオウギワシは、握力が猛禽類の中でも最強だと言われています。通称ハーピー。ハーピーイーグルという名称で親しまれています。

また、メキシコなどの中央アメリカ・南アメリカ大陸の北部〜アルゼンチン北部にかけてのエリアに生息する動物の生態系の中で最上位に君臨する種族の一つと考えられています。

そのため、サルやナマケモノといった哺乳類を始め、イグアナや蛇といった爬虫類なども捉えて食べます。

熱帯の森林地帯に生息しているオウギワシですが、大柄な体にも関わらず狭い木々の間を巧みにすり抜けながら飛行する術を持っているのも特徴です。

巣は大きくカップ型をしているのが特徴で、高木の枝分かれした場所などに、木の枝を用いて作ります。

オスよりもメスの方が体が大きく、オスが5kgに対してメスは体重が7kgを超えます。また、尾羽についてもメスの方が長いのも特徴です。

オオタカ

オオタカ

科目

タカ目タカ科

和名

オオタカ(大鷹)

学名

Accipiter gentilis

英名

Northern Goshawk

体長

オス:48cm/メス:58cm

分布

北アメリカ大陸・ユーラシア大陸・アフリカ大陸の北部など北半球の非常に広範囲。日本では沖縄などの離島を除く殆ど全国に分布。

生息地

開けた森林地帯ならびにその周辺

大鷹の名の表す通り、体が大きい鷹であるオオタカは、突き出した青白い眉斑に長い尾羽、胸にたくさんある細かな斑紋などが特徴です。

また、メスの方がオスよりも一回り体が大きいという特徴もあります。

北半球の非常に広範囲、日本では沖縄などの離島を除く各地域の開けた森林地帯やその周辺で見ることができます。

狩りの際は木の枝などから急降下し、獲物を捕らえます。主な獲物はカラス類やツグミ類、キジ類といった鳥類や、リスやウサギなどの小型の哺乳類です。

また、餌を食べ終わると、ほぼ1日動かずに休憩します。

巣については皿型で、小枝などを木の上に積み上げ、最後に羽毛を敷いて作られます。

なお、繁殖期以外は1〜2羽で行動することが多いとされています。

オオワシ

オオワシ

科目

タカ目タカ科

和名

オオワシ(大鷲)

学名

Haliaeetus pelagicus

英名

Steller’s sea eagle

体長

オス:80cm/メス:94cm

分布

日本、中国北東部、韓国、北朝鮮、ロシア東部など

生息地

主に海岸近く。河川や湖、沼地、河口などにも生息

黄色いクチバシが特徴的な大型のタカ科の猛禽類であるオオワシは、国の天然記念物にも指定されています。

全体的に羽色は黒っぽい色をしていますが、翼の上部や尾の部分などは白いです。若鳥の頃は白っぽい部分がまだらに混じる程度ですが、生後7年ほど経過し成長になると、白い部分がくっきりとしてきます。

類似種として、オジロワシ・イヌワシなどが挙げられます。

繁殖は夏季にロシア東部(カムチャツカ半島や樺太北部など)で行われ、冬季に越冬のため朝鮮半島や沿海州、カムチャツカ半島の南部などに南下します。

オホーツク海沿岸部は冬季に南下する個体が多い一方、カムチャツカ半島では千鳥列島以南へ南下せず、留まる個体も多いようです。

日本国内では冬季(11〜3月頃)に東北地方北部や北海道の羅臼町、知床半島に飛来してくる個体を見ることができます。

群れで行動することも多い一方通常は1〜2はで行動しており、採食場と休憩所は特定の場所を決めているようで、巣は海岸沿いの谷間などによく作られています。

主な獲物は酒などの魚類の腐肉ですが、小型の哺乳類やカエルなどを食べることもあります。

飛翔の時や威嚇する際に「クワックワッ」や「グワッグワッ」といった鳴き声をあげるといった特徴があります。

オナガフクロウ

オナガフクロウ

科目

フクロウ目フクロウ科

和名

オナガフクロウ

学名

Amazona aestiva

英名

Blue-fronted Parrot

体長

38cm

分布

北アメリカ大陸北部・ユーラシア大陸北部に主に生息しています(地域によっては冬場は南の暖かい地域で越冬する個体もいます)

生息地

木が多く茂る森の中や周辺地帯など

名前の通り、他のフクロウよりも長い尾が特徴のオナガフクロウは、体の形状などはハヤブサやタカなどの他の猛禽類と類似しています。

また、夜行性のイメージが強いフクロウの中でも昼行性の鳥で、狩りも日中に行ないます。

狩りの際は枝の先端の方に止まって周囲を見渡し、獲物を見つけると滑空しながらストレートに獲物を捉えに行くことが多いですが、獲物の動きによってはターンやホバリングを取り入れることもあります。

そんなオナガフクロウの主な獲物はハタネズミを始めとした哺乳類や小型の鳥類などです。

なお、巣については木に自然とできた樹洞や、別の鳥の古巣を活用します。

卵は平均7個生み、食べ物が豊富な時は高い確率でヒナが巣立つのですが、少ないと巣の中で飢え死にしてしまうことも少なくないと言われています。

カラカラ(カンムリカラカラ)

カラカラ

科目

ハヤブサ目ハヤブサ科

和名

カラカラ/カンムリカラカラ

学名

Polyborus plancus

英名

Southern crested caracara

体長

オス:53cm/メス:63cm

分布

中央アメリカ・南アメリカ大陸のほぼ全域(アメリカ合衆国の南部で見られることも)

生息地

低木地・草原など

鋭く鳴く声から名前がついたカラカラは、ハッキリとした羽の配色や、首〜胸にかけてや翼の先端、尾羽などに斑模様があり、鋭い爪のある鮮やかな黄色く長い足が特徴のハヤブサ科の鳥です。

主に鳥類や爬虫類、カエルや昆虫などを獲物とする他、鳥類や亀の卵、死肉を食べることもあります。

ハヤブサ科の猛禽類でありながら、ハヤブサのように帆翔飛行は行なわず、羽ばたいて飛行します。

またハヤブサのように狩りにはあまり長けていませんが、代わりに歩行を得意としています。

カラフトフクロウ

カラフトフクロウ

科目

フクロウ目フクロウ科

和名

カラフトフクロウ(樺太梟)

学名

Strix nebulosa

英名

Great Grey Owl

体長

68cm

分布

北アメリカ大陸北部・ユーラシア大陸北部等寒冷地に生息(生息地域によっては冬に南へ移動する個体群も)

生息地

木々の茂った森林、森林地帯周辺、低木地など

北海道などでも見られるカバノキ類の低木地や寒さが厳しいロシアの森林地帯などに生息するカラフトフクロウは、大きな顔盤に対し、小さな黄色い目を持っていることが特徴のフクロウ科の猛禽類です。

一見体がガッシリとしていて逞しいようにも見えますが、寒冷地で生きていくための長い羽毛が全身を覆っているためにそう見えるだけであり、実際にはそれほど太さはなく、むしろ痩せています。

また、黄色く小さな目の中にはさらに小さな瞳孔があり、目の上の眉毛にも見える線と合わさると、かなりユニークな表情に見えるのも特徴です。パラボラアンテナみたいですよね。この顔が集音の役割を担っています。

夜行性の種が多いフクロウの中では昼夜を問わず活動する珍しい種で、主にレミングやハツカネズミ、ハタネズミといった小型の哺乳類や、小さい鳥などを獲物として捕らえて食べます。

なお、レミングについては約4年周期で数が増減すると言われており、それに伴って北極圏に近い地域に生息するカラフトフクロウについても、そのヒナの数が増減すると言われています。

巣については大型の鳥類などの古巣や、朽ちた大木にできた樹洞などを利用することが多く、特に針葉樹をよく利用すると言われています。

カリフォルニアコンドル

コンドル

科目

タカ目コンドル科

和名

カリフォルニアコンドル

学名

Gymnogyps californianus

英名

California condor

体長

115cm

分布

アメリカ合衆国の西部の一部地域。野生環境下ではほぼ見られない(主に動物園などに生息)

生息地

草原や藪など

大型の死肉食の鳥であるカリフォルニアコンドルですが、以前は生きている家畜などに害を及ぼすと考えられていたことから絶滅の危機に瀕するほど数を減らしたと言われています。

繁殖力も非常に弱く、生まれてから繁殖できるようになるまで5〜6年かかる上に、2年ごとにしかヒナを孵さないという特徴もあります。

1984年に野生の個体数は17羽にまで減少、1980年代半ばにはすべての個体が飼育下での繁殖を行われるようになりました。

現在では繁殖にも成功し個体数も回復して来たため、野生の環境下に返す実験も行われています。

基本的に死肉を主食としているため、餌を求めて広大な土地を飛び回りますが、寒く風の強い日などはあまり動きません。餌を探していない時は寝ぐらなどでひっそりと過ごしています。

カンムリワシ

カンムリワシ

科目

タカ目タカ科

和名

カンムリワシ(冠鷲)

学名

Spilornis cheela

英名

Crested serpent eagle

体長

55cm

分布

アジア東部〜南部にかけて。日本では留鳥として沖縄の石垣島・西表島などに生息

生息地

平地〜山地にかけての林や湿地・農耕地・牧場・マングローブ林等

特徴的な冠羽を持っているカンムリワシは、アジアの東部〜南部にかけて生息しており、日本では沖縄の石垣島や西表島などに住んでいます。

また、現在では国の特別天然記念物にも指定されている貴重な鳥でもあります。

体の特徴として、翼は幅が広く、胴体部分はやや紫がかった褐色の羽色をしています。

主食は小型の哺乳類や蛇を始めとした哺乳類、カニなどの甲殻類です。

繁殖期にはあまり目立たないよう林の中に入り、「ピュピュピュピュイ」といった鳴き声を発するようになります。

基本的にはあまり人を恐れないようです。また、普段はじっとしていることが多いと言われています。

コキンメフクロウ

コキンメフクロウ

科目

フクロウ目フクロウ科

和名

コキンメフクロウ(小金目梟)

学名

Athene noctua

英名

Little Owl/Carine noctua

体長

22cm

分布

ユーラシア大陸のヨーロッパ〜中国までの広範囲・アフリカ大陸北部

生息地

木が疎らに生えた林、木が散開している草地、農耕地、公園など

名前が表す通り、フクロウの中でも小型の種で、金色のように美しい黄色の目が特徴のコキンメフクロウは、意外と体型としてはがっしりしていて、胴体に対し、頭部が大きくなっています。

また、足の部分まで生えている羽毛は全体的に褐色の縞模様があり、同じコキンメフクロウでも砂漠に生息している個体は全体的に色が薄い、または反対に色が濃い暗色型の個体なども存在します。

その他にも、フクロウの特徴ともいえる目の周囲の顔盤は小さく、それに伴い額の位置が低くなっているという特徴もあります。

主な獲物はネズミを始めとした小型の哺乳類やちいさな鳥類、昆虫などで、生息地である視界の開けた場所でこうした獲物を発見し、捕食します。

巣については木の樹洞や岩肌に開いている穴、納屋の隙間などの他に、ウサギなどが掘った穴の窪みを利用することもあります。

コチョウゲンボウ

コチョウゲンボウ

科目

ハヤブサ目ハヤブサ科

和名

コチョウゲンボウ(小長元坊)

学名

Falco columbarius

英名

Merlin

体長

オス:27cm/メス:32cm

分布

北アメリカ大陸やユーラシア大陸の広範囲で繁殖し、冬季は南アメリカ大陸やアフリカ大陸やインドの北部、ベトナムの南部辺りまで南下します。日本では九州以北の地域に稀に渡来します。

生息地

視界の開けた草原や淡水の沼地、湿原・沿岸部・農耕地・河原・埋立地等

北半球の広範囲で見ることができるコチョウゲンボウは、ハヤブサ科の猛禽類です。

通称マーリン。

チョウゲンボウよりやや小型ながら、素早い飛行を得意とし、攻撃的かつ優秀なハンターという側面も持っています。

主な獲物は飛行中の鳥類ですが、地上に暮らすハツカネズミなどの小型の哺乳類、トンボなどの昆虫を捕食することもあります。

飛行をしながら狩りを行ない、獲物を見つけるとスピードを上げ、一気に襲いかかります。

日本では九州北部の地域に渡来することがあり、越冬中は単独で過ごすことが多いようです。

巣については背の低い植物が生えた荒地に穴を掘る形で作ることが多いと言われています。

オスよりもメスの方がやや体が大きく、また、メスは濃い褐色の羽を持つのに対し、オスは青っぽい灰色の羽色をしており、見分けることができます。

コノハズク

コノハズク

科目

フクロウ目フクロウ科

和名

コノハズク(木葉木菟/木葉梟)

学名

Otus scops

英名

Eurasian Scops-owl

体長

20cm

分布

インド・東南アジアなどに生息しており、日本国内では北海道や本州では夏鳥として渡来、沖縄本島では留鳥として生息しています(南西諸島では旅鳥として観測されることも)

生息地

平地〜山地にかけての木が多く茂っている森林地帯など

体全体が枯葉模様の灰褐色の羽毛で覆われていることから、日中はその羽色を活かして暗い木の影などに潜んで休んでいます。木の葉ににたズク(耳付き)ってことですね。

また、日本で見ることのできるフクロウの中では最も体が小さく、成人男性の手のひら程度の大きさしかないことも特徴の一つです。

狩りは夜に行なう習性があり、主な獲物はネズミやトガリネズミといった小型の哺乳類で、他にも蛾や蜘蛛、カナブンといった虫も捕食します。

基本的には単独で生活していることの多い種ですが、パートナーが見つかるとつがいで生活するようになります。

繁殖期になると「ブッポーソー(仏法僧)」と聞こえる鳴き声を出すことでも広く知られている鳥ですが、擬音語としては「カキットー」や「ブキッコー」と表されることも多いようです。

巣については木に自然とできた樹洞を主に用います。

ゴマバラワシ

ゴマバラワシ

科目

タカ目タカ科

和名

ゴマバラワシ(胡麻腹鷲)

学名

Polemaetus bellicosus

英名

Martial Eagle

体長

オス:80cm/メス:83cm

分布

アフリカ大陸のサハラ砂漠以南の地域(生息が確認されていない地域あり)

生息地

低木地・草原・木が疎らに生えた林といった見晴らしが良い場所

アフリカ大陸のサハラ砂漠以南に生息する大型の鷲であるゴマバラワシは、冠羽および胸〜足にかけての白い羽毛の中に黒い斑点模様が特徴的な種です。

ただし名前の由来ともなっている黒い斑点模様は成鳥のみに見られる特徴で、幼鳥の頃は胸〜足にかけての部分は真っ白です。

猛禽類らしく、大きく曲がった鉤状のクチバシや、獲物を捉えるのに必要な強力な足と尖った爪を有しています。

獲物は基本的に大きな羽を広げ、飛行しながら探しますが、時折木の枝などに止まった状態で獲物を待ち構え、捉えることもあります。

巣については木の上にプレート型(中にカップ型の窪みあり)に大量の小枝を積み重ねた大型なものを作ります。

オスよりもメスの方がやや体が大きいとされていますが、見た目にはほとんどわからないほどのようです。

コミミズク

コミミズク

科目

フクロウ目フクロウ科

和名

コミミズク(小耳木菟)

学名

Asio flammeus

英名

Short-eared Owl

体長

38cm

分布

ユーラシア大陸のほぼ全域・北アメリカ大陸全域・南アメリカ大陸南部などで繁殖。高緯度の地域に生息する個体群については冬季にアフリカ大陸北部やインド、メキシコなど南の地域に移動して越冬します。日本国内では冬鳥として全国で渡来する個体が見られます。

生息地

草原や淡水の湿地、沼地などの他にも砂丘や農耕地などでも生息が確認されています。

耳羽が非常に小さく、頭部が丸い点が特徴と言えるコミミズクは、飛行に有利な長い翼も持っており、水平よりやや上向きのV字型の姿勢でゆっくりと滑空しながら獲物を探すことを得意としています。

また、強力な翼を使ってホバリング(空中での停止飛行)を行ないながら獲物を探すこともあります。

主な獲物はハツカネズミ・ハタネズミ・ハリネズミを始めとした小型の哺乳類や小型の鳥類、昆虫やカエルなどで、捕らえたその場ではなく、別の場所に運んでから食べるという習性を持ちます。

夜行性のため活動は主に夜間に行われますが、昼間に飛んでいる姿が見られることもあります。休憩する時は杭の上などで体を休めることが多いです。

巣については、地面を浅く窪ませた形のものを、視界が開けている場所に作ります。

なお、よく似た種類の鳥としてトラフズクが挙げられることがあります。

シロフクロウ

シロフクロウ

科目

フクロウ目フクロウ科

和名

シロフクロウ(白梟)

学名

Bubo scandiacus

英名

Snowy Owl

体長

58cm

分布

北アメリカ大陸北部やグリーンランド南部、ユーラシア大陸北部などで繁殖し、食べ物が少ない地域の個体は南へと渡来することがあります。日本国内では北海道のサロベツ原野に稀に冬鳥として渡来することも。

生息地

草原など

名前が表す通り、頭部〜足先まで真っ白な羽毛に覆われているシロフクロウは、主に降雪の多い寒冷地に生息しているため、白い体が雪にうまくカムフラージュするようになっています。

とはいえ全身がくまなく真っ白というわけではなく、クチバシが黒っぽい色をしており、頭頂部や翼などに黒っぽい斑紋も見られます。メスの方がオスよりもこの斑紋が多いです。大人になるにつれ、オスは真っ白になっていきます。

一般的に夜行性の種が多いフクロウですが、シロフクロウについては昼も夜も狩りを行ないます。

主な獲物はレミングという種のネズミで、野ウサギなどの小型の哺乳類や、カモ・カモメなどの鳥類も捕食することがあります。

巣については、ツンドラ地帯にある浅い窪みなどを利用して作られます。

ダルマワシ

ダルマワシ

科目

タカ目タカ科

和名

ダルマワシ

学名

Terathopius ecaudatus

英名

Bateleur

体長

オス:55cm/メス:70cm

分布

アフリカ大陸のサハラ砂漠以南の地域(中央部では生息が確認されていない地域も多い)

生息地

低木地・木が疎らに生えた林・サバンナなど

空中での機敏な動作を可能にしているワシの中でも小型のダルマワシは、鷹の仲間の中でも非常にカラフルであることで有名です。

長時間の滑空を得意としていることもあり、日中の大半を飛行しながら過ごしています。

英名の「Bateleur」はフランス語で”軽技師”や”手品師”を意味しており、求愛時にペアで素晴らしい飛翔を見せることから由来していると言われています。

尾羽が短いという特徴から、滑空時の姿勢が安定せず、左右に流されることもあります。ですが、獲物を見つけると一気に急降下し、小型の哺乳類や爬虫類、大柄な昆虫など、地上に住む生き物を捕食します。また、時々空中で飛んでいる鳥を捕食することもあります。

巣については小枝を材料にカップ型にした後、産座には木の葉などを敷いて作ります。

体の大きさはメスの方がオスより一回り大きく成長するのも特徴です。

チゴハヤブサ

チゴハヤブサ

科目

ハヤブサ目ハヤブサ科

和名

チゴハヤブサ(稚児隼)

学名

Falco subbuteo

英名

Eurasian hobby

体長

オス:30cm/メス:37cm

分布

ユーラシア大陸の各所やアフリカ大陸の北西部で繁殖、冬季はインド・中国・ベトナム・アフリカ大陸の南部などで越冬。日本国内では北海道・東北などの寒さの厳しい地域では夏に、それ以外の地域では冬に確認されています。

生息地

森林地帯周辺の草原・低木地・藪・農耕地など

ハヤブサよりも一回り体の小さなチゴハヤブサは、幅が狭く先端の尖っている翼と長い尾羽を持っており、足の羽毛や尾羽の下側の羽毛が栗色になっているという特徴を持っています。

また、メスの方がオスよりも体が大きいことも特徴の一つです。

大きな黒い瞳は、薄暗い場所でも自由に飛行できるくらい視力に優れています。

高速での水平飛行を得意とし、ツバメやアマツバメといった鳥類や、トンボや甲虫などの大きな虫、コウモリなどを、足を使って上手に飛行中に食べることもあります。

巣については、カラスやタカ、リスなどの木の上にある古巣を利用します。

チョウゲンボウ

チョウゲンボウ

科目

ハヤブサ目ハヤブサ科

和名

チョウゲンボウ(長元坊)

学名

Falco tinnunclus

英名

Common Kestrel

体長

35cm

分布

ユーラシア大陸ではロシア北部・東南アジア南部以外のほぼ全域、またアフリカ大陸の全域に生息しています。寒冷地に生息する個体群は冬季に南部の地域へ渡来します。日本では北海道〜九州まで、留鳥または漂鳥として生息しています(北海道では数が少ないようです)

生息地

草原・低木地・農耕地・河原等周囲の見渡しやすい場所

主に草原や低木地といった周囲を見渡しやすい場所に生息するチョウゲンボウですが、近年は街中に生息している個体も一部では観られるようになりました。

狩りの際は視界の開けた場所でホバリング(空中で静止する飛行状態)しながら獲物を探し、見つけると急降下、もしくはゆっくりと近づいて捕獲した後に木の上などに運んで食べます。

主にネズミなどの小型の哺乳類や爬虫類、バッタや甲虫といった昆虫、小型の鳥などを主食としていますが、獲物となる鳥が群れになっている時はモビングされる(獲物の鳥に逆に攻撃される)ことも。

巣については崖の岩棚や樹洞、建物の隠れた場所などに作ったり、大型の鳥が使用していた古巣などを利用することもあります。

体の大きさについては、メスの方がオスよりも少し大きいという特徴があります。

トキイロコンドル

トキイロコンドル

科目

タカ目コンドル科

和名

トキイロコンドル

学名

Sarcoramphus papa

英名

King vulture

体長

75cm

分布

メキシコ〜南アメリカ大陸のアルゼンチン北部にかけての広範囲

生息地

木々が茂る森林地帯やその周辺、草原など

シンプルな羽色を持ちつつ皮膚が露出している頭部は派手な配色が特徴のトキイロコンドル。他にも、尾羽は短く、翼は幅広かつ大きいという特徴も持っています。

ただし、幼鳥については羽色が全体的に黒くなっています。

普段は木々の生い茂る森林やその周辺で生息していますが、獲物を探す際は草原に出向くこともあります。

肉食であり、他の動物や同種の鳥に混じって死肉を食べるほか、哺乳類や魚、爬虫類や魚なども食べます。

巣に関する記録はほとんどないとされていますが、一部の情報によると切り株の窪みなどを利用しているようです。

トビ

トビ

科目

タカ目タカ科

和名

トビ(鳶)

学名

Milvus migrans

英名

Black Kite

体長

58〜69cm(メスの方がやや大きい)

分布

ユーラシア大陸・アフリカ大陸・オーストラリア大陸など。日本では九州〜北の地域の広範囲に留鳥として分布。稀に南西諸島でも冬鳥として見られる事があります。

生息地

川や海岸、湖といった水辺、高山帯、農耕地など

翼の先に白い模様を持ち、尾の部分は台形になっているという体の特徴を持つトビは、タカの仲間の中でも最も国内で見かけられることが多く、「ピィーヒョロロロロロロ」などの擬音語で表される鳴き声をよく発するので、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

なお、成鳥については全体的に褐色の羽色をしていますが、幼鳥の時は黒っぽい色をしています。

風に乗ってゆっくりと飛行しながら、主な獲物であるネズミを始めとした小型の哺乳類、昆虫、魚類、カエルなどを探して捕食します。

ただ、他にも死肉であったり、特に田舎の人が暮らすエリア周辺に生息する個体は、ゴミを漁って食べる姿が見られることも。

そして、通常時は大きな群れで行動しますが、繁殖期につがいとなった個体については二羽だけで行動している姿が見られます。

ニュージーランドアオバズク

アオバズク

科目

フクロウ目フクロウ科

和名

ニュージーランドアオバズク

学名

Ninox novaeseelandiae

英名

Sourtern Boobook

体長

35cm

分布

ニュージランド・オーストラリア大陸全域・ニューギニア・南部、チモール島など

生息地

森林地帯や木が疎らに生えている林・低木地・市街地など

耳羽がないために頭部が丸く、綺麗な円形の大きな目が特徴的なニュージーランドアオバズクは、名前にある通りニュージーランドの他一部地域にしか生息していないものの、アオバズクの仲間の中では代表的な種となっています。

基本的には夜行性であるため夜に狩りを行ないますが、日中でも鳴禽類などに出会うと激しく鳴き、相手を攻撃せんとばかりに飛び回る習性があります。

主な獲物はハツカネズミを始めとした小型の哺乳類や小型の鳥類、昆虫などで、綿毛に覆われた足の先にある鋭い鉤爪を使って捕食します。

巣については大木などに自然とできた穴などを利用して作ります。また、普段は木に止まって過ごしていることが多いようです。

ノスリ

ノスリ

科目

タカ目タカ科

和名

ノスリ(鵟)

学名

Buteo japonicus

英名

Eastern Buzzard

体長

オス:50cm/メス:55cm

分布

極寒地域を除いたユーラシア大陸のほぼ全域で繁殖、アフリカ大陸南部やインド、東南アジアで越冬します。日本では四国・本州より北部の地域では留鳥として、冬鳥としては全国的に生息しています。

生息地

木々が疎らに生えている林や森林地帯の周辺、牧場・水田・畑・河川等

丸くて大きな翼とほぼ褐色系の色をした羽毛を持つノスリは、メスの方がオスよりもやや体が大きいという特徴を持ちます。

よく似た鳥としてケアシノスリがあげられますが、こちらは尾の先が黒っぽい縞模様となっており、基部付近が白いという違いがあります。

主な獲物はウサギやネズミといった小型の哺乳類や昆虫ですが、自然死であったり他の動物が食べ残したりした動物の死骸を食べることもあります。

狩りの際は、上昇気流に乗って高く舞い上がって帆翔しながら探したり、視界の良い樹上などの高所に止まって獲物を待ち伏せることもあります。そして、獲物を見つけると一気に急降下して捕らえます。

巣については崖の岩棚や樹上などに木の枝・根などを積み上げ、大きなカップ型のものを作ります。

繁殖期はペアで行動しますが、それ以外の時期は基本的に単独行動です。

チュウヒは野を擦るように飛ぶのですが、ノスリは上空旋回型。名前が逆に伝わったんじゃないかという疑惑のある鳥です。

ハイイロチュウヒ

ハイイロチュウヒ

科目

タカ目タカ科

和名

ハイイロチュウヒ(灰色沢鵟)

学名

Circus cyaneus

英名

Hen harrier/Northern harrier

体長

オス:43cm/メス:50cm

分布

ユーラシア大陸の広範囲、北アメリカ大陸北部の一部地域を除いたエリアなどに生息。日本国内では冬鳥として全国各地に渡来します。

生息地

視界の良い草原や沼地、荒地、砂丘、水田等

その名の通り灰色の羽を持つチョウヒであるハイイロチョウヒは、ユーラシア大陸の広範囲、北部の一部地域を除く北アメリカ大陸などに主に生息しており、日本でも冬に全国的に渡来してくる個体を見ることができます。

また、頭部をグルッと囲むように周囲とは異なる色をした羽毛が生えていることも特徴の一つです。

長い尾と翼、足を持っている点が狩りに有利に働いており、低空で素早く滑空しながら地上の獲物を探します。

主食は主に小型の鳥や、ネズミを始めとした小型の哺乳類で、時折大きな昆虫やカエルなどを捕食することもあります。

巣については植生で覆われ目立ちにくい地面に、草や小枝、ヨシなどを積み上げて作ります。

ハイタカ

ハイタカ

科目

タカ目タカ科

和名

ハイタカ(鷂)

学名

Accipiter nisus

英名

Sparrowhawk

体長

オス:30cm/メス:38cm

分布

ユーラシア大陸のヨーロッパ〜東アジアにかけての広範囲、北アメリカ大陸のほぼ全域に生息。アフリカ大陸の北部や東南アジア、中央アメリカなどで越冬します。日本国内では留鳥か冬鳥として全国的に見ることができますが、南部へ行くほど少ないようです。

生息地

木が疎らに生えた林や低木地、農耕地など

喉元〜胸にかけてのハッキリとした縞模様と力強い足・指などが特徴的なハイタカは、メスの方がオスよりも体が一回り大きく、メスのみ首筋に青白い斑紋が見られます。

また、キィーキィーキィキィという甲高い鳴き声も特徴です。

主な獲物は小型の鳥などで、低空飛行しながら捕らえて食べます。樹木や低木などをすり抜ける際のスピードが速く、この特技のおかげで油断している獲物との距離を一気に縮めることに長けています。

普段は単独で行動していることが多いですが、繁殖期はペアで行動します。

巣については樹上などの高所に、中央に窪みを残しつつ、内張には小枝を、外側にはそれより大きな枝を積み上げた簡素なものを作ります。

ハクトウワシ

ハクトウワシ

科目

タカ目タカ科

和名

ハクトウワシ(白頭鷲)

学名

Haliaeetus leucocephalus

英名

Bald eagle

体長

オス:75cm/メス:100cm

分布

北アメリカ大陸のうちアメリカ合衆国とカナダの南部で繁殖し、一部はアメリカ合衆国の南部・メキシコなどに渡って越冬します。

生息地

湖や沼、湿地、海岸付近の岩場など

その名の通り頭部が白く、強力な足と爪が特徴的なハクトウワシは、アメリカ合衆国の国鳥にも指定されているタカ科の猛禽類です。

体の特徴として、頭部〜首にかけて、及び尾の部分が白い以外は、クチバシや足の部分が黄色く、その他の動体や翼の部分は黒い羽で覆われています。

なお、上記は成鳥の特徴で、幼鳥の時は白い部分がなく、全身の羽の色が黒かなっています。

獲物については多種多様で、カモメ・ミサゴを始めとした鳥類、淡水・海水に住むサケを始めとした魚類、そしてこれらの動物の死骸を食べることもあります。

巣については水辺にある樹上などの高い場所に枝を積み重ねて作ります。

ハヤブサ

ペレグリン

科目

ハヤブサ目ハヤブサ科

和名

ハヤブサ(隼/鶻/鸇)

学名

Falco peregrinus

英名

Peregrine Falcon

体長

オス:38cm/メス:50cm

分布

南極大陸以外の全ての大陸(南アメリカ大陸については南部の一部地域のみ)。日本では九州より北の地域で繁殖する留鳥か漂鳥として見られます。

生息地

岩場・草原・淡水の湿地・沼地など

南極大陸を除けばほぼ世界中で生息しているハヤブサは、鷹狩の際に用いる鳥の一種として知られています。通称ペレグリン。

ハヤブサというと全般を指してしまうので、ペレグリンと呼ばれています。

主な獲物は小型の鳥類ですが、飛行中のトンボを始めとした昆虫を捕食することもあります。

狩りの際は獲物を一撃で仕留めるのではなく、最初に足で獲物を突き落とし、旋回したのちに落下する獲物を鋭い爪で掴みます。

そして、空中から獲物を襲う際、時速400km近いスピードに達するとも言われています。

巣については海岸や川沿いにある崖の岩棚の剥き出しになっている場所で作ることが多いです。

類似の種として、ハヤブサよりもやや小型のチゴハヤブサが挙げられます。

ヒゲワシ

ヒゲワシ

科目

タカ目タカ科

和名

ヒゲワシ(髭鷲)

学名

Gypaetus barbatus

英名

Lammergeier

体長

オス:100cm/メス:110cm

分布

ユーラシア大陸のアジア中部・中東・ヨーロッパ南部、アフリカ大陸の北西部・東部・南部の一部地域など

生息地

山岳地帯の草原、岩場等

その名の通りクチバシのすぐ後ろの辺りに髭のような黒い羽毛が特徴のヒゲワシ。

成鳥については体の頭部〜足周りにかけて白〜褐色の羽色をしており、足の上部は厚い羽毛で覆われています。他にも先端が細くなっているくさび形の黒い尾羽も特徴的で、オス・メスともに羽の色は似ています。

ですが、幼鳥については頭部〜首のあたりまでの羽色が暗色になっています。

名前がよく似たハゲワシなどと同様死肉食の鳥としても知られていますが、死肉を主食とする鳥としては珍しく、ヤギやヒツジなどの動物の骨も餌としています。

骨を食べる際はクチバシで咥えて空に飛び立ち、高所から岩の上に落とすなどして砕いてから、骨の中にある髄を食べます。

巣については木に自然とできた穴や岩棚の隙間などに枝を積み上げて形作り、内側には動物の毛・骨・皮の他、植物なども敷きます。

ヘビクイワシ

ヘビクイワシ

科目

タカ目ヘビクイワシ科

和名

ヘビクイワシ(蛇食鷲)

学名

Sagittarius serpentarius

英名

Secretary bird

体長

150cm

分布

アフリカ大陸のサハラ砂漠より南の地域に生息(中部〜西部にかけての一部地域を除く)

生息地

草原や低木地など

レギンスを履いた濃い目のメイクが美しいヘビクイワシ。個人的に一番惹かれている猛禽類。

猛禽類としては珍しくあまり飛ぶことはありません。ダチョウのように地上で生活することが多く、走るための長く頑丈な足を持っています。ただし、ダチョウのように飛行できないわけではなく、翼を使って飛ぶことも可能です。

ちなみに、特徴的な長い足は地上にいる獲物を踏み殺して捕食する際にも役立っています。

その名の通り蛇を食べることもありますが、主食は昆虫で、他にもトカゲやカエル、げっ歯類や鳥類なども捕食します。

蛇を捕らえた際は飛び上がって上空から地面に落とし、殺すこともあります。

足以外にも首・翼・尾羽も長く、歩いたり方向転換する際などにこの長い翼と尾羽が役立ちます。

また、獲物を捉える際には翼を前に突き出すことにより、体のシルエットを変化させ、獲物を混乱させます。

また、後頭部には冠羽が後ろに向かって伸びており、目の周囲には鮮やかな赤みがかったオレンジとなっていることも特徴的です。

巣については木の枝や藪などに、枝や小枝などを使って皿型を形作り、内側に草やペレット、動物の糞などを敷いて作られます。

なお、ヘビクイワシと似たような種類として、南アメリカ大陸に生息するアカノガンモドキが挙げられることもあります。

ミサゴ

ミサゴ

科目

タカ目タカ科

和名

ミサゴ(鶚・雎)

学名

Pandion

英名

Osprey/Sea Hawk/Fish Eagle/Fish hawk

体長

オス:50cm/メス:62cm

分布

ユーラシア大陸のほぼ全域(寒さが非常に厳しい地域を除く)やアフリカ大陸の全域、北アメリカ大陸・オーストラリア大陸などで繁殖し、南アメリカ大陸やアフリカ大陸、アジアなどで越冬します。国内では北日本などで夏鳥として生息しています。

生息地

海上、岩場や砂地のある海岸・湖・河川など

頭部の冠羽が特徴的なミサゴは、足先に非常に長い鉤爪がついており、一度捕らえた獲物を逃さないようガッチリと捕まえることができます。

主食は魚類で、飛行しながら獲物を探し、水面近くで泳いでいる魚を見つけると急降下して、強力な足の爪を突き出す形で捕らえます。そして巣などに持ち帰って捕まえた獲物を食べます。

通常は1〜2羽で行動しますが、越冬期になると数羽で群れて生活することもあり、集まって飛行する姿がカモメのように見えることもあります。

巣については、岩場や樹上に枝を積み上げて作成します。

ミミヒダハゲワシ

ハゲワシ

科目

タカ目タカ科

和名

ミミヒダハゲワシ

学名

Torgos tracheliotos

英名

Lappet-faced vulture

体長

98cm

分布

アフリカ大陸の半砂漠地帯・南部地域、アラビア半島の南部、イスラエルなど

生息地

視界が開けている草原や低い木が茂った場所など

頭部の側面の部分に肉垂と呼ばれている露出した皮膚のヒダがあることが特徴のミミヒダハゲワシは、体の大きな種類の多いハゲワシの仲間の中でも特に大型の種です。

肉垂の部分以外も頭部の皮膚が全体的に露出しており、肉を引き裂くクチバシは先端部分が非常に鋭くなっています。

また、大きな体を飛翔させるための翼は大きく、支える足も長くガッシリとしています。

基本的には単独かペアで行動しており、獲物を探す際は長時間飛び続けます。

巣については、木の枝などを材料に、低木や高木の樹冠部に、深さのあまりない皿型のものを作ります。

メガネフクロウ

メガネフクロウ

科目

フクロウ目フクロウ科

和名

メガネフクロウ

学名

Pulsatrix perspicillata

英名

Spectacled Owl

体長

46cm

分布

北アメリカ大陸のメキシコ〜南アメリカ大陸のブラジル南部・パラグアイ・アルゼンチン北部にかけての熱帯雨林地域

生息地

木々が鬱蒼と茂る森林地帯、木が比較的多い林、河川周辺の林といった木の茂る場所

その名の通り、メガネをかけているような模様を顔に持つメガネフクロウは、成長になると頭部が黒くなりますが、幼鳥の頃は体全体が白く目の周りは黒い、という幼体と生態で色が逆という特徴を持ちます。

夜行性のため狩りは夜間に行ない、主な獲物は小型の哺乳類やカエル、昆虫、ムカデなど、木の周辺に生息する動物などです。また、月が出ている夜はさらに活発になるとされています。

「ホッホッホッ」などの擬音で表される鳴き声は低くテンポが良いものであることが知られています。

巣については大木に自然とできた受動などを利用して作られます。

メンフクロウ

メンフクロウ

科目

フクロウ目メンフクロウ科

和名

メンフクロウ(面梟)

学名

Tyto alba

英名

Barn Owl

体長

40cm

分布

ユーラシア大陸の内、ヨーロッパ・インド・東南アジア等の一部地域、アフリカ大陸北部と中部〜南部、オーストラリア大陸、北アメリカ大陸の中部以南、南アメリカ大陸の広範囲

生息地

低木地・草原など

頭部前面がハート型の、かなり見た目がユニークなメンフクロウは、大きな頭部と長くて力強い足を持っており、翼と尾羽には帯状の縞模様が見られます。

ウマヅラな個体も多く、このハートの顔が丸っこい感じの子が可愛く人気です。

猛禽類としては飛行スピードはあまり速くなく、ゆったりしたストロークでヒラヒラと飛ぶ姿が特徴的です。

ただし、スピードがない代わりに音もなく獲物に近づくことができるため、獲物に気づかれずに捕らえることができます。

また、聴覚にも優れており、夜でも獲物の位置を正確に捉えることができます。そんなメンフクロウの主な獲物はネズミを始めとした小型の哺乳類なとです。

巣については樹洞などに自然と開いた穴や、人家・納屋・教会といった建物などに開いている穴を利用して、産座には何も敷かずに作られます。

ちなみに雛のときはエイリアンのような姿で、顔だけエグザイルするので結構怖い。

モモアカノスリ(ハリスホーク)

ハリスホーク フライト

科目

タカ目タカ科

和名

モモアカノスリ(腿赤鵟)/ハリスホーク

学名

Parabuteo unicinctus

英名

Harris’s Hawk/Bay-winged Hawk/Duskey Hawk

体長

オス:45cm/メス:58cm

分布

北アメリカ大陸のアメリカ合衆国南部〜中央アメリカ、南アメリカ大陸のチリ・アルゼンチン・ブラジルなどに生息(イギリスでは飼育されていた個体が逃げ出し、野生の環境下で繁殖しているとの情報も)

生息地

低木地、木が疎らに生えた林、半砂漠等

当サイトでも紹介しているハリスホーク(モモアカノスリ)は、ガッシリとした胴体や足が特徴のタカ科の猛禽類です。

そして単独行動ないしつがいでの行動を好む種類が多い中、タカ科の鳥にはめずらしく、複数羽で狩りを行ない、取れた獲物を分け合うという修正を持ちます。

また、大きな群れで生活することも珍しくなく、メンバー全員でヒナの世話をする姿も確認されています。

そのためか、メスも複数のオスから餌をもらったり、複数のオスと交尾することもあるようです。

主食はネズミやウサギといった小型の哺乳類、ヘビやトカゲなどの爬虫類などで、時折鳥を捕まえて食べることもあります。

巣については樹上やサボテンの頂点部分などに枝や根、茎などを積み上げて形作り、内側を葉や樹皮、草などを敷き詰めて作り上げます。

モリフクロウ

モリフクロウ

科目

フクロウ目フクロウ科

和名

モリフクロウ(森梟)

学名

Strix aluco

英名

Tawny Owl

体長

38cm

分布

ヨーロッパほぼ全域・アフリカ大陸北西部・中国・朝鮮半島など

生息地

木々が鬱蒼と茂る森林地帯、やや視界が開けている林、森林周辺の地域、樹木が散開している草地など

その名の通り主に森に生息するモリフクロウは、丸くて大きな頭部でずんぐりとした印象があるフクロウです。

羽色については褐色であることが多いですが、他にも灰色や赤褐色、暗褐色などさまざまな色の個体がいます。

また、聴覚が非常に優れていることも特徴で、闇夜でも音を頼りにネズミを始めとした小型の哺乳類や鳥類、カエルなどを捕食します。

鳴き声については2種類発することで知られています。ひとつめは縄張りを宣言するための「ホッ」や「ホー」と表されるもので、ふたつ目は仲間同士で連絡し合う際に用いられる「ケッウィック」と表される鳴き声です。

巣については木に自然と開いた樹洞や崖にある穴などを利用して作成され、産卵の際は一度に2〜5個卵を産みます。

ラナーハヤブサ

ラナーハヤブサ

科目

ハヤブサ目ハヤブサ科

和名

ラナーハヤブサ

学名

Falco biarmicus

英名

Lanner falcon

体長

オス:34cm/メス:50cm

分布

アフリカ大陸の広範囲・ヨーロッパ南東部・中東など

生息地

木が疎らに生えた林や視界が開けている草原、砂漠・半砂漠など

岩場があるサバンナや砂漠などに主に生息しているラナーハヤブサは、幼鳥の際は胸部〜腹部・足にかけて斑模様であるのに対し、成鳥になるとこの部分が白一色になるという見た目の特徴を持っています。

主な獲物はノガンヤやホロホロチョウを始めとした小型の鳥類ですが、ネズミやトカゲ、羽蟻などを捕食することもあります。

巣については崖などに開いた大きな穴を利用したり、大型の鳥類の古巣を利用するなどして作ります。

通常声をあげて鳴くことはないですが、つがいで巣にいる際は、甲高い声で鳴きます。

ワシミミズク

ワシミミズク

科目

フクロウ目フクロウ科

和名

ワシミミズク(鷲木兎)

学名

Bubo bubo

英名

Eurasian Eagle Owl

体長

70cm

分布

ユーラシア大陸の内ロシア北部、インド・東南アジアの一部などの南部地域などを除いた広範囲。日本国内では北海道に少数が生息

生息地

森林地帯や岩場・植物が殆ど生えていない平野など

フクロウとしては世界で最大の種として知られているワシミミズクは、体長だけでなく体全体が太くしっかりしています。

また、同じワシミミズクの中でも異なる形態を持つ個体が多数存在することも特徴です。

南の方は褐色固体で、北にいくに連れ白っぽい個体が多くなります。最大種はユーラシアワシミミズク。

体全体が褐色の縞模様で覆われているため、森林や岩場といった生息地では背景に上手にカムフラージュします。

そして、耳羽が頭部から突き出ており、昼間は丸い大きな目の中の瞳孔が閉じています。

ワシミミズクは視覚が優れているという特徴もあるため、昼夜関係なくネズミや野うさぎといった小型の哺乳類や鳥類、昆虫などを捕食します。

巣については洞窟や岩棚などの窪みを利用することが多いですが、ノスリやイヌワシなどの古巣を使うこともあります。

なお、シマフクロウと似ていると言われていることも多いですが、目がオレンジであったり足指に羽毛を持つという特徴から、シマフクロウとは違うことを確認できます。

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